青年会議所米穀部会ウェブサイト

ビルボード.psd

コラム「説く盛りどんぶり」 42杯目

食を忘れた日本人

世界第2位のGDPを誇る日本だが、食糧の自給率はお寒い状況にある。
私たちは、どんなに金持ちになろうとも通常1日3回週に21回月に90回ほど食事をしている。
グローバルスタンダードとか言っているが、どこに標準があるというのだろうか。中東?東アジア?アフリカ?それとも日本?EU、中国、インド、 米国とでも言うのだろうか。IT化が進めば国境が無くなると主張する人 がいるがとんでもない。国家の利害や情報流通と物や食糧は別であります。
普通の国などありはしない。特殊な国の集合体が地球を構成しているのだと思うのです。
日本人はお金さえ払えば食糧は手に入ると錯覚している。それも無理はない。どこの店に行っても商品は溢れかえり一見供給過剰に見えるからだ。先進国で食糧を十分に自給できないのは日本だけであります。
米国、カナダ、フランス、英国皆それぞれ農業問題抱えながら自給を必死に確保しているのです。
日本は戦後、食糧の支援をもらいましたが胃袋も抑えられてしまいました。乳製品や肉類の消費が増えたわけですが、家畜を飼育するエサは大半輸入であって、そのほとんどは米国です。間接的に私たちの命はエサで抑えられているのです。
今や、自給率は40パーセントに過ぎません。
まったくおめでたい限りであります。国内農地500万ha国外農地1200万haに支えられているのです。
食糧安保の国民合意が必要です。ODAで中国を支援するのに多額の税金を使い、挙句の果てに北朝鮮に日本米を50万トンタダで差し上げるという。全く馬鹿げた話しだ。
日本はGDP500兆円を超えますが、輸出と輸入を差し引きした純輸出はGDPの約1%に過ぎません。
従いまして景気を良くするには国内消費を増やすこと、イコール消費者に金を使わせることだと云っていますが、根本が違ってます。
消費者である前に国民であります。純粋の消費者など存在せず、生産供給側と消費側の2面を皆持っていると思うのです。
云いかえれば景気を良くすることは国民が国産品を買うことで確実に上がります。グローバルスタンダードや国際化という言葉に騙されてはいけません。守るべきものを守り国益をしっかり確保してから規制緩和をするべきと考えます。もちろん税金や借金の無駄使いは強烈に監視し、止めなければならないことは言うまでもありません。
そんな中で特に食品は国産品を選んで買ってほしいのであります。

みのる

バックナンバー