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コラム「説く盛りどんぶり」 72杯目

ひのき泥炭石 

 今、観光地や温泉宿のみやげ物で大ヒットしている商品があります。
「ひのき泥炭石」という石鹸です。この商品を開発し、総発売元の会社オーナーと話す機会がありました。この会社は各地のみやげ物店の売場(買場)などの企画提案を行っていて堅実に成長している優良企業です。
 ひのき泥炭石は発売1年で出荷価格10億円以上の大ヒット商品となりました。ヒットの原因はいくつかありますが、まず商品力が非常に高いことがあげられます。旅館やゴルフ場のお風呂場の各ブースごとに特徴を書いたPOPと現物が置いてあります。実際使用した人が良かったと言い、売店で購入していくのです。
 決して安くないのですが売れに売れています。このようなヒット商品はめったにありませんが、ここに企業経営の一つの本髄を見ることができます。
  1.特徴的な商品である。
  2.商品力がある。
  3.リピートがある。
  4.利益率が高い。
  5.オーナーが惚れている。
  6.社員がその気になっている。
 このようなことが挙げられますが、最も大切なことは「価格決定権」を持っているということです。
 仕事をもらうのではなく、仕事を創り出しているのです。
 どこでもある商品を扱っていれば価格競争になることは避けられません。
 又、グローバル化した現代では国内の価格と国際価格との競争もあります。
 成熟した日本経済は「物」から「ソフト」に価値が変わってきました。
 物を作ることは同じ技術であれば人件費の安い国に行ってしまいます。
 プロ野球が開幕しましたが、一流選手は年俸何億ともらいます。彼らは何か物を創り出しているのではなく、人々に感動や喜びを与えているのです。
 石鹸でもただ汚れを落とすという役割だけでなく、
 使用感、満足感という感性の部分が多くなっているのではないでしょうか?
 今や、マッサージ業で年商40億円という企業まで生まれました。
 まさにソフト化経済を象徴しているといえましょう。


みのる

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